―†-異時限の世界-†―

    











目が覚めると、そこは真っ白な世界だった。









前も後ろも…上も下も…白一色で何もなかった。




しばらく考えていたがとりあえず、じっとしていてもダメだと
思い、歩いてみることにした。

…だが周りが白一色のせいか、歩いていても、進んでいるのか
が解らない。

しばらく歩いていたが、次第に無気力感を覚え、ついにはその
場に座り込んでしまった。

座り込んだ地面は何故か生暖かった、

その生暖かさのせいか今度は、眠気がしてきた。
今はどうしようもないので寝ようと目を閉じたが、目を開けて
いる時と何の変わりもなかった。

寝ようとしていると、次第に気持ち悪くなり、寝る気もしなく
なり、もう一度立ち上がると…同時に物音がした。

今まで何も聞こえていなかったためか、その音が頭の中に残り
、何やら不快感を覚えた。

とにかく音がした方に何かあると思い、音がした方へ歩く事に
した。

どのくらい歩いたのか解らないが、しばらく歩いていると、い
くらか先に何か見えてきた。

それは恐ろしくも見えたが、この状況ためかの唯一の期待とも
感じられた。

とにかくこの不安感から逃れたいためか、先ほどよりも足取り
が速くなっていた。

…そして徐々に近ずいていくと、あまり見えなかった物体が次
第に見えてきた。

……巨大なサソリだ!!




気がついた頃には向こうは、すでにこちらに気付いていたよう
だった。

襲われると思ったが、こちらを見たままサソリは動かない…

こちらも相手を刺激しない用にしないといけないのでヘタに動
けない…

だが動かなければラチが開かないので、タイミングを見計らい
、サソリに背を向けて逃げることにした。

だかサソリは全く動かなくしてこちらを見ている、隙など無か
った。

………イチかバチかで逃げるしか無いのか、それとも根気よく
待ち隙を見つけるか…

そんな事を考えているうちに数分経った…

ついにシビレを切らせサソリに背を向け走り出した!!

後を見る間も無くただ全力で走った!!

サソリは追い掛けて来ているのか…もう追い掛けて来ていない
のか…

そんな事は気にしていられない、ただ残された体力でできるだ
け遠くへ走るだけ…

何故かこの時、不思議と『生きたい』と強く思い走れるだけ走
った。

…だがそろそろ後のサソリが気になりはじめて、足を止め後を
向いた。

するとサソリはいなかった、安心のせいか体の力が抜けその場
に仰向けに倒れ込んだ。

しばらく上を見てボーっとしていると、見えているものに驚き
思わず声に出してしまった。

「蒼い空だ…」

驚きのあまりしばらく動けなくなったが、冷静になり辺りを見
回した。

すると辺り一面砂漠だった、見渡す限り360゜すべて砂漠だ。

…こうなってから再度考えて見ると今までの違和感は砂漠の砂
が持っている熱と恐らく一面が白かったのは霧のだったのだろ
う。

今自分がどこにいるのかが解ったからと言って安心できる訳で
は無い。

今自分がいる場所が解っても、何も無い事には変わり無い。

何も無いからと言って何ものは時間の無駄で、取りあえず歩く
しか無いので北に向いて歩く事にした。

方角は太陽を見れば解ると思い上を見たが、太陽は無かった…

だか辺りは昼間見たいに明るくて暑かった。

次々に状況を把握していっているようだか、まだフリダシから
進めていない、つまり何の進歩も無い。

とにかく一定の方角を知りながら、まっすぐに歩くにはどうし
たら良いのか考えた。

…考えた出してから何分経ったか解らないが、地味な方法を思
いついた。
それは、進行方向と逆に向きそして左足で砂に線を書きながら
歩く。

当然の事だかそうする事によって自分が一定の方角に歩けてる
か解る。

これしか無いと思い、砂に線を書きながら歩き始めた。

…そう、書いた線が曲がらない限り道はそれない、これでどこ
かにたどり着ける。

この時、半分心の中でそう決めつけていた。

そろそろ線を書く動作に疲れて、一度深く座り込んだと同時に
今まで背を向けてきた進行方向を見てみた。

よく見えないが何か長細い物が見える。

またよく解らない物に襲われない用に慎重に進んで行った。

少し少し慎重に進みやがて見えている物がだんだん解ってきた

木?それとも人?だいたい自分位の高さだ。

そんな事を考えているうちに、何故かそれが消えてしまった。

慌てて、それがあったと思う場所へ駆け寄ろうとしたら急に後
ろから

「こんにちは!!」

…と声がした

一瞬驚いたが、恐らく声の主は声的に自分より3〜4歳位年下の
少女だろうと思い振り向いた。

だが、そこにいたのは自分より5歳か6歳位上のお姉さんがいた

しばらくこちらはア然としていたら、向こうはもう一度挨拶を
してきた

「はじめまして!」

…少し冷静になり、辺りを見回してふと思った。
…なぜこんな砂漠のど真ん中に人がいるのか。

聞いてはならないような気がしたが、一応彼女に聞いてみた

「え?なぜってあの国からあなたが見えたから来て上げたのよ

彼女が「あの国から」と言いながら指をさした方を見てもなに
もなかった

…人に出会えて助かったかにも思えたが、一人の時より明らか
にも謎が増えている。

とにかくこの世界は何なのか、などの質問を彼女にしようと思
ったら、いなくなっていた。

慌てて辺りを見回すと、なぜか彼女は指をさしていた方角へと
すでに歩き始めていた。

それを確認したと同時に彼女の元へと駆け寄り、同行し始めた

隣につくと、こちらが問い掛ける前に彼女が話し掛けてきた

「あたしの名前はティト、あなたの名前は?」

「……………」

「どうしたの?」

ティト(彼女)はこちらが急にとまり沈黙するシグサを珍しいそ
うに顔を覗き込んできた

「なんかやっぱり、初対面だからこんなコト聞いちゃいけなか
った?」

ティトは少しおどおどしながらこの沈黙した場をどうにかしよ
うとしていた。

…しかし沈黙を解いたのはこちらが先だった。

「…名前が解らない」

驚きのためか何秒か間が開いたが、ティトはまた口を動かし始
めた。

「え?名前が解らないってどうゆうコトなの!?」

と言うもののこちらはそれから黙り込んでしまった。

…それもそのはずこの時始めて自分は異世界に飛ばされてしま
ったのでなく、ただの記憶喪失だと言う事に気ずかされたから
だ。

今本当の事を知り少しホッとして、この冷めきった場をなごま
すためにティトに
今までの事を話し始めた

「〜〜〜〜って事とかがあってさっきティトと出会ったんだ」

するとティトは素直に笑ってくれた、それからこちらが話し終
わるとこんどはティトが

「アハハハハ…面白いねキミ‥と言うか名前今のところないん
だ…どうする?」

と言いこっちに話しを振ったと思ったらまたティトは話し始め

「そうだ今からキミの名前はラスだよ!!よろしくねラス」

…名前が決まったようだ。